ネズミザメ

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ネズミザメ:深海の神秘、その食の可能性

ネズミザメとは

ネズミザメ(学名: Lamna ditropis)は、太平洋北部に広く分布するネズミザメ科に属するサメの一種です。その名前は、その俊敏な動きと、比較的小さなネズミのような口元に由来すると言われています。温帯から亜寒帯の沿岸域、および外洋域に生息し、しばしば表層近くで見られます。遊泳力が高く、活発に餌を追いかけるハンターです。主な餌は、イワシ、ニシン、サンマといった小魚や、イカなどです。

ネズミザメは、その特徴的な体型と、背ビレから尾ビレにかけての独特な模様が識別点となります。体は紡錘形で、流線型をしており、高速遊泳に適しています。体色は、背側が濃い青灰色で、腹側は白色をしています。この体色は、水中でカモフラージュの役割を果たしています。

生態としては、比較的大型の魚類であり、成長すると数メートルに達します。繁殖形態は胎生で、卵は母親の体内で孵化してから出産されます。性成熟には数年かかると考えられており、長寿な種です。その生息域の広さから、漁業の対象となることもありますが、乱獲による資源量の減少が懸念される場合もあります。

ネズミザメは、その身肉の特性から、一部地域では食用としても利用されています。しかし、サメ類全般に言えることですが、その処理や調理法には注意が必要です。特に、体内に蓄積される尿素やアンモニアの処理が重要となります。

ネズミザメの調理法

ネズミザメの調理は、その身肉の特性を理解した上で行うことが重要です。サメの身肉には、尿素やアンモニアが多く含まれており、これらを適切に処理しないと、独特の臭みや苦味が生じ、食用に適さなくなってしまいます。そのため、下処理が最も重要な工程となります。

下処理の方法

ネズミザメの身肉を調理する際の最も一般的な下処理方法は、「水抜き」です。これは、身肉を細かく切り、流水で長時間さらすか、塩水で数回交換しながらさらすことで、体内の尿素やアンモニアを抜く方法です。

  • 細かく切る: まず、ネズミザメの身肉を1cm角程度のサイコロ状、あるいは薄切りにします。これにより、表面積が増え、尿素やアンモニアが抜けやすくなります。
  • 流水でさらす: ボウルに切った身肉を入れ、流水で1~2時間、あるいはそれ以上、水を替えながらさらします。時折、身肉を軽く揉むようにすると、より効果的です。
  • 塩水での処理: 流水でさらす代わりに、濃いめの塩水(水1リットルに対して塩大さじ2~3杯程度)で身肉を数回交換しながらさらす方法もあります。塩分によって浸透圧が働き、尿素などが抜けやすくなります。
  • 臭みが残る場合: 下処理後も臭みが気になる場合は、一度下茹でをしたり、香味野菜(生姜、ニンニク、ネギなど)と一緒に煮込んだりすることで、臭みを軽減できます。

代表的な調理法

下処理が完了したネズミザメの身肉は、様々な調理法で美味しく食べることができます。

刺身・カルパッチョ

新鮮なネズミザメは、下処理を丁寧に行えば、刺身やカルパッチョとしても楽しめます。身はしっかりとした歯ごたえがあり、淡白ながらも旨味があります。薬味として、生姜醤油や、オリーブオイルとレモン汁、ハーブなどを合わせると、その風味を活かせます。ただし、サメ刺しは一般的に流通が少ないため、専門の業者から購入するか、自分で捌く場合に限られます。

煮付け

甘辛い醤油ベースの煮付けは、ネズミザメの身肉と相性が良い調理法です。下処理した身肉を、醤油、みりん、砂糖、酒、生姜などと一緒に煮込みます。身は煮崩れしにくく、しっかりとした食感が楽しめます。大根や里芋などの根菜と一緒に煮込むのもおすすめです。

唐揚げ・フライ

下処理した身肉に下味をつけ、片栗粉や小麦粉をまぶして揚げる唐揚げやフライも人気です。外はカリッと、中はふんわりとした食感になります。レモンを絞ったり、タルタルソースを添えたりすると、より美味しくいただけます。サメ肉は火を通しても身が硬くなりにくいため、揚げ物に適しています。

照り焼き

照り焼きは、ネズミザメの身肉を香ばしく仕上げる調理法です。下処理した身肉をフライパンで焼き、醤油、みりん、砂糖などを合わせたタレを絡めながら焼きます。甘辛いタレが身肉の旨味を引き立てます。ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにも最適です。

加工品(燻製、干物)

ネズミザメは、その身肉の特性から、燻製や干物といった加工品にも向いています。塩漬けにしてから燻製にすると、独特の香りと風味が加わり、日持ちもします。干物にすることで、旨味が凝縮され、香ばしい味わいになります。

注意点: サメ肉は、種類によっては水銀を多く含んでいる場合があります。ネズミザメも例外ではないため、妊娠中や授乳中の女性、小さなお子様は摂取量に注意が必要です。また、専門店で販売されているものは、安全性が確認されている場合が多いですが、不明な場合は避けるのが賢明です。

ネズミザメのレビュー・口コミ

ネズミザメは、一般的にスーパーなどで見かける機会は少なく、ややマイナーな食材と言えます。しかし、その独特な食感や風味から、一部の食通や釣り人を中心に根強い人気があります。以下に、実際にネズミザメを食した人々からのレビューや口コミをまとめました。

食感・風味に関する口コミ

  • 「初めてネズミザメの刺身を食べたが、予想外に美味しかった。身はしっかりとしていて、マグロのような濃厚さはないが、上品な旨味がある。」
  • 「下処理が大変だったが、その甲斐あって臭みは全く感じなかった。歯ごたえが良く、噛むほどに旨味が出てくる感じ。」
  • 「唐揚げにしたが、鶏肉のような淡白さもありつつ、独特の風味があった。もう少し味付けを濃くしても美味しいかも。」
  • 「煮付けにしたら、身がホロホロと崩れるかと思いきや、意外としっかりしていて食べ応えがあった。魚というよりは、肉に近い感覚。」
  • 「先輩からお裾分けでネズミザメの燻製をもらった。独特の風味とねっとりとした食感がクセになる。お酒が進んだ。」
  • 「友人が釣ってきたネズミザメを捌いて刺身にしたらしいが、少しアンモニア臭が強かった。下処理が重要だと実感した。」
  • 「フライパンで照り焼きにした。身は少しパサつく感じもあったが、タレと絡めると美味しく食べられた。魚というよりは、意外と万能な食材かも。」

調理に関する口コミ

  • 「ネズミザメを捌くのは初めてで、血合いの多さに驚いた。下処理の重要性を痛感し、丸一日かけて流水でさらした。」
  • 「臭みを取るために、生姜とニンニクをたっぷり入れて煮付けにした。家族にも好評で、また作ってほしいと言われた。」
  • 「唐揚げにする前に、牛乳にしばらく漬けてみた。これで臭みが取れると聞いたが、効果があったかは微妙。でも、美味しく食べられた。」
  • 「魚屋さんでネズミザメの切り身を見かけたので、迷わず購入。下処理済みだったので、すぐに調理できて助かった。」
  • 「釣ったネズミザメを捌くのは、慣れないと大変。特に血合いや骨の処理に時間がかかった。次からは、さばいてくれるお店で買おうと思う。」

購入・入手に関する口コミ

  • 「地元のお祭りで、ネズミザメのフライが売られていた。初めて食べたが、美味しくて驚いた。また来年も食べたい。」
  • 「ネットでネズミザメの切り身を購入。品質は良好で、新鮮なうちに調理できた。ただ、送料が高いのがネック。」
  • 「釣り好きの知人が、ネズミザメを釣ったと連絡があった。捌き方や調理法を教えてもらい、新鮮なネズミザメを堪能できた。」
  • 「スーパーではなかなか見かけないが、魚市場や、一部の鮮魚店では取り扱っていることがある。見かけたら試してみる価値あり。」

総じて、ネズミザメは下処理が成功の鍵であり、それができれば独特の旨味と食感を楽しめる食材と言えます。調理法も多様で、煮付けや唐揚げ、刺身など、様々な料理に活用できるポテンシャルを秘めています。しかし、その独特の風味や、下処理の手間から、好みが分かれる食材でもあります。もし見かける機会があれば、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ネズミザメは、太平洋北部に生息する俊敏なサメであり、その身肉は食用としても利用されています。しかし、体内に含まれる尿素やアンモニアの影響で、適切な下処理が不可欠です。流水や塩水で長時間さらすことで、臭みや苦味を取り除き、淡白ながらも旨味のある身肉に仕上げることができます。調理法は、刺身、煮付け、唐揚げ、フライ、照り焼きなど多岐にわたり、それぞれに違った食感と風味を楽しむことができます。口コミでは、下処理の重要性が度々語られ、成功すれば「上品な旨味」「しっかりとした歯ごたえ」といった肯定的な評価が多く見られます。一方で、下処理の難しさや、種類によっては水銀含有量に注意が必要といった側面もあります。入手機会は限られますが、興味のある方は、専門店や市場などで探してみて、深海の神秘的な恵みを味わってみるのも良いでしょう。