ブルークラブは、北アメリカ大西洋岸に広く分布するワタリガニ科のカニです。日本では「アオガニ」とも呼ばれます。食用として非常に重要で、特に脱皮直後の軟甲個体(ソフトシェルクラブ)は珍重され、高値で取引されます。
ブルークラブ基本情報
学名: Callinectes sapidus
分類: 節足動物門 軟甲綱 十脚目 ワタリガニ科
別名: アオガニ、ブルーキャブ
分布: 北アメリカ大西洋岸 (カナダのノバスコシア州からアルゼンチンまで)
生息域: 河口域、湾、潟湖などの汽水域
甲幅: 最大23cm (メスはオスより小型)
寿命: 1~3年
ブルークラブ特徴
体色: 甲羅は暗青緑色で、はさみ脚の先端と歩脚は鮮やかな青色をしています。
形態: 甲羅は横長の六角形で、前側縁には鋭い棘が並んでいます。オスの腹部は逆T字型で、メスの腹部は丸みを帯びています。
はさみ: 左右の大きさが異なり、大きなはさみで貝殻などを砕き、小さなはさみで餌を口に運びます。
遊泳脚: 第5歩脚は平たい遊泳脚になっており、水中をすばやく泳ぐことができます。
ブルークラブ生態
ブルークラブは、河口域、湾、潟湖などの汽水域に生息し、砂泥底や海草藻場を好みます。夜行性で、昼間は砂泥に潜ったり、岩陰に隠れたりしています。雑食性で、貝類、甲殻類、魚類、藻類など、様々なものを食べます。
繁殖期は春から秋にかけてで、メスは交尾後、腹部に卵を抱えて保護します。卵は孵化するとゾエア幼生となり、プランクトンとして水中を漂います。ゾエア幼生は脱皮を繰り返してメガロパ幼生となり、その後、稚ガニへと変態します。
捕食
ブルークラブは、強力なはさみを持ち、様々な生物を捕食します。主な餌は、二枚貝、巻貝、小型の甲殻類、魚類などです。また、死骸や有機物も食べます。
生息域
ブルークラブは、北アメリカ大西洋岸に広く分布しています。主な生息域は、チェサピーク湾、デラウェア湾、ロングアイランド湾などの汽水域です。近年では、船舶のバラスト水に紛れて、地中海や日本などにも侵入しています。
料理
ブルークラブは、食用として非常に重要なカニです。身は甘みがあり、様々な料理に利用されます。
ソフトシェルクラブ: 脱皮直後の殻の柔らかいカニは、丸ごと食べることができます。特に揚げ物や炒め物にすると美味です。
蒸しガニ: シンプルに蒸して食べることで、カニ本来の旨味を味わえます。
カニクリームコロッケ: カニの身を使ったクリームコロッケは、定番の洋食料理です。
カニ汁: カニの旨味が溶け出した味噌汁は、体の温まる一品です。
パスタ: カニの身を使ったパスタは、贅沢な味わいです。
利用法
ブルークラブは、食用以外にも様々な用途で利用されています。
肥料: カニの殻は、カルシウムやキチン質を豊富に含んでいるため、肥料として利用されます。
飼料: カニの身や殻は、家畜や養殖魚の飼料として利用されます。
医療: カニの甲羅から抽出されるキトサンは、医療分野で様々な用途に利用されています。
ブルークラブの現状と課題
ブルークラブは、重要な水産資源ですが、近年、乱獲や環境汚染などにより、資源量が減少しています。持続的な漁業を行うためには、資源管理と環境保護が重要です。
また、ブルークラブは、外来種として、在来の生態系に影響を与える可能性も指摘されています。外来種としての影響を最小限に抑えるためには、侵入経路の遮断や駆除などの対策が必要です。